睡眠時間と質が健康のカギ!適正な睡眠時間と質を上げる5つの方法

あなたは、

  • 睡眠時間と健康は、関係あるのか知りたい
  • 睡眠時間が少ないと、健康にどのような影響を与えるのか知りたい
  • 睡眠時間が満たされるだけで、健康なのかを知りたい(質は関係するのか)

と、お考えではありませんか?

仕事や家事が忙しく、睡眠時間の確保が難しい、スマホでの情報収集や連絡の確認で

「ついつい夜更かし」なんてこともありますよね。

結論から言うと、健康的な睡眠は「量」と「質」がポイントです。

そして、量は人によって異なります。

厚生労働省は、健康に必要な睡眠時間を以下に示しています。

  • 小学生:9~12時間
  • 中・高校生:8~10時間
  • 成人:6時間以上
  • 高齢者:床上時間を8時間以内にする

詳しくは、本文にて説明します。

この記事を読めば、睡眠時間や質が健康に与える影響や重要性を知り、自分の適正な

睡眠時間や質の良い眠りを得るコツが分かります。

この記事では、

1章で、健康的な睡眠のポイントは「量」と「質」の2つ、

2章で、睡眠時間は、長くても短くても健康にマイナスがある、

3章で、健康的な睡眠には「質の良い眠り」が重要、

4章で、睡眠の質のセルフチェックと、質を上げる方法5つ

を詳しく解説します。

この記事を読んで、あなたも健康的な睡眠を手に入れましょう。

 1章:健康的な睡眠のポイントは「量」と「質」の2つ

それぞれ理由を説明します。

■睡眠の量
健康的な睡眠のポイント1つめは、
「量」です。

厚生労働省の「健康づくりの睡眠ガイド2023」では以下の睡眠時間を、必要な睡眠

時間の目安としています。

  • 小学生:9~12時間
  • 中・高校生:8~10時間
  • 成人:6時間以上
  • 高齢者:床上時間を8時間以内にする

※床上時間とは、睡眠をとるために寝床で過ごした時間のことです。

 健康的な睡眠に必要な時間が証明されていることから、量がポイントと言えます。

さらに、健康に適正な睡眠時間は、年齢・日・遺伝により異なります。

2章で詳しく説明します。

■睡眠の質
健康的な睡眠のポイント2つめは、
「質」です。

理由は、質の良い眠りを得ることで、体内の機能やホルモン分泌を促すからです。

そして、健康な心身が作られるのです。

たとえ、推奨された睡眠時間を確保できても、途中で目覚めていたり、なんらかの原

因で、ぐっすり眠れていなかったりすると、朝目覚めたときに、疲れを感じます。朝

目覚めたときに「休養した感」があり、日中元気に活動できなければ健康的とは言え

ません。健康的な睡眠には、眠りの質もポイントです。

(3章で詳しく説明します)

2章:睡眠時間は長くても短くても、健康にマイナスがある

睡眠時間は長くても短くても、健康にマイナスです。

理由は、睡眠時間は、長くても短くても病気を引き起こすからです。

睡眠時間が長い場合のマイナスは2つ、

睡眠時間が短い場合のマイナスは8つ

あります。それぞれ説明します。

2-1:睡眠時間が長い場合の健康被害

睡眠時間は長い場合の健康被害は、以下の2つです。

  • 死亡リスクを高める
  • アルツハイマー型認知症の発症リスクを高める

それぞれ説明します。

■死亡リスクを高める
睡眠時間が長い場合の健康被害1つめは、
死亡リスクを高めるということです。

長時間睡眠では、動脈硬化の原因とされる中性脂肪やコレステロールが増え、善玉コ

レステロールは減少します。

その結果、心筋梗塞・狭心症・高血圧・脳梗塞を起こす可能性を高め、死亡リスクの上昇につながります。

※コレステロールとは
脂質の一種で、善玉コレステロールと悪玉コレステロールに分けられます。
善玉コレステロール=動脈硬化の原因になり、悪玉コレステロール=数値が高いと動脈硬化などのリスクが下がります。

■アルツハイマー型認知症を発症
睡眠時間が長い場合の健康被害2つめは、
アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めるということです。

アルツハイマー型認知症は、脳に特殊なタンパク質がたまり、脳の萎縮により発症し

ます。特殊タンパク質は、睡眠中に排出され、深い睡眠時に効率的に働いています。

長時間睡眠は、眠りの質を下げて排出機能が低下し、アルツハイマー型認知症のリス

クが高まるのです。

2-2:睡眠時間が短い場合の健康被害

睡眠時間は短くても、健康に被害があります。

睡眠時間が短い場合の健康被害は以下の8つです。

  • 狭心症・心筋梗塞・高血圧・脳梗塞を発症
  • 肥満・糖尿病を発症
  • 抑うつ(気分が落ち込み、憂うつなこと)状態
  • アルツハイマー型認知症を発症
  • 免疫力の低下を引き起こす
  • 記憶や思考力の低下が起こる
  • 老化を早める
  • 頭痛・耳鳴り・動悸などの不調を引き起こす

それぞれ説明します。

■狭心症・心筋梗塞・高血圧・脳梗塞を発症
睡眠時間が短い場合の健康被害1つめは、
狭心症・心筋梗塞・高血圧・脳梗塞を発症するということです。

人間の臓器には、交感神経と副交感神経の支配を受けています。

睡眠時間が短いと交感神経の優位状態が続き血管障害を起こし、狭心症・心筋梗塞・

高血圧・脳梗塞を発症します。

※交感神経とは:活動するときに働く神経です。
※副交感神経とは:休息やリラックスしたときに働く神経です。

副交感神経=睡眠中に活力を蓄えるように働きかけ、心拍数を減らし、血圧が下がります。

■肥満・糖尿病を発症
睡眠時間が短い場合の健康被害2つめは、
肥満・糖尿病を発症するということです。

睡眠時間が短いと、オレキシン濃度の上昇により、血糖値の上昇も起こります。

オレキシンは、食欲増進や血糖値を上昇させるため、睡眠時間が短いと、肥満や糖尿

病を発症します。

※オレキシンとは
食欲や体内リズム(朝、覚醒して、夜、眠くなるなどの人間の意志とは関係なく、24時間サイクルで働くリズム)に関係するホルモンのことです。

※血糖値とは
血液中に含まれるブドウ糖の濃度です。
糖尿病は、高い血糖値が続きます。

■抑うつ(気分が落ち込み、憂うつなこと)状態を引き起こす
睡眠時間が短い場合の健康被害3つめは、
抑うつ(気分が落ち込み、憂うつなこと)状態を引き起こすということです。

睡眠時間が短いと、ストレスから身を守るホルモンが、過剰に分泌されます。

過剰に分泌される状態が続くと、次第に分泌が低下し、抑うつ状態を引き起こします。

■アルツハイマー型認知症を発症
睡眠時間が短い場合の健康被害4つめは、
アルツハイマー型認知症を発症するということです。

特殊タンパク質は、睡眠中に排出されるため、

睡眠時間が短いと、特殊タンパク質が蓄積して、

アルツハイマー型認知症を発症します。

※2-1で詳しく説明しています。

■免疫力の低下
睡眠時間が短い場合の健康被害5つめは、
免疫力の低下を引き起こすということです。

人間は、生まれつき自然免疫を持っています。

※自然免疫とは
体に侵入しようとする病原菌や、ウイルスなどの異物を排除したり、病気やケガからの回復を早めたりする防御機能のことです。

自然免疫の力は、睡眠中に分泌されるホルモンにより高まるため、睡眠時間が短いと

低下します。その結果、風邪をひきやすくなったり、病気やケガの回復が遅れたりす

るのです。

■記憶や思考力の低下
睡眠時間が短い場合の健康被害6つめは、
記憶や思考力の低下が起こるということです。

記憶は、脳の海馬という部位に貯蔵されます。

また、睡眠中に、消耗したエネルギーや、脳の機能を回復させます。睡眠時間が短い

と、海馬が縮小して記憶力の低下、思考能力の低下が起こるのです。

■老化を早める
睡眠時間が短い場合の健康被害7つめは、
老化を早めるということです。

肌と髪の細胞は睡眠中に修復と再生を繰り返します。睡眠時間が少ないと、シミ・た

るみ・薄毛・白髪などの老化が進みます。

■頭痛・耳鳴り・動悸などの不調
睡眠時間が短い場合の健康被害8つめは、
頭痛・耳鳴り・動悸などの不調を引き起こすということです

睡眠時間が短いと、自律神経の優位な状態が続き、血管が収縮し血流不足を起こしま

す。

その結果、頭痛、耳鳴り、動悸が起こります。

2-3:健康に適正な睡眠時間には、個人差がある

健康に適正な睡眠時間には、個人差があります。理由は以下の3つです。

  • 健康に必要な睡眠時間は、加齢とともに短くなる
  • 健康に適正な睡眠時間は、1日の行動量によって違う
  • 健康に適正な睡眠時間は、遺伝が関係する

それぞれ説明します。

2-3-1:健康に必要な睡眠時間は、加齢とともに短くなる

健康に必要睡眠時間は、加齢とともに短くなります。

理由は、加齢とともに基礎代謝量が下がるからです。若いときより必要な栄養量が減

るのと同様に、必要な睡眠量も減少します。

基礎代謝量とは
心臓を動かす・呼吸をするなど生命維持のために、最低限必要なエネルギー量のことです。

2-3-2:健康に適正な睡眠時間は、1日の行動量によって違う

健康に適正な睡眠時間は、1日の行動量によって違います。

理由は、睡眠適性時間とは、必要睡眠時間+基礎代謝以外の活動により生じた疲労を

回復するために必要な時間です。

基礎代謝以外の活動とは、1日の仕事量や運動量のことです。

つまり、日によって活動量は違うため、適正な睡眠時間も日によって違うということ

です。

2-3-3:健康に適正な睡眠時間は、遺伝が関係する

健康に適正な睡眠時間は、遺伝が関係します。

理由は、三島和夫教授は、健康に必要な睡眠時間の違いは体質で、30~50%は遺伝

の影響を受けていると述べているからです。

遺伝子が関係する睡眠時間の中でも、特徴的な適正睡眠時間が遺伝するケースがあります。

以下の2つです。

  • ショートスリーパー
  • ロングスリーパー

それぞれ説明します。

■ショートスリーパー
特徴的な適正睡眠時間の1つめは、
ショートスリーパー(短時間睡眠者)です。

夜間の睡眠時間が毎晩6時間未満で、日常生活に支障はなく健康上の異常もない人の

ことです。多くは小児期から睡眠時間が短く、その体質は生涯続くとされ、病気では

ありません。

■ロングスリーパー
特徴的な適正睡眠時間の2つめは、
ロングスリーパーです。

夜間の睡眠時間が9時間以上必要な人です。

自分の必要な睡眠時間をとると、日中は集中力を保ち活動できますが、1日当たりの

活動時間帯が短くなるデメリットがあります。

※三島和夫教授とは
秋田大学大学院医学系研究科精神科教授
専門は精神医学、特に睡眠医学と時間生物学です。

※遺伝子とは
人間の身体を作る設計図の働きで、親から子へと受け継がれます。

3章:健康的な睡眠には「質の良い眠り」が重要

健康的な睡眠には、「質の良い眠り」も重要です。

理由は、質の良い眠りを得ることで、体内の機能やホルモン分泌を促すからです。

その結果、健康な心身が作られます。

質の良い眠りは、以下の3つの要素から構成されます。

  • すっきりした目覚め
  • 眠りの深さ
  • 寝つきの良さ

それぞれ説明します。

■すっきりした目覚め
質の良い睡眠の要素1つめは、
すっきりした目覚めがポイントということです。

朝目覚めたときに感じる「体が休まった感覚」が、質の評価指標の1つで

「睡眠休養感」と言われています。

 睡眠休養感がある=日中活動的に動ける

それによって、規則正しい生活を送れ、生活習慣病の予防につながります。

■眠りの深さ
質の良い睡眠の要素2つめは、
眠りの深さがポイントということです。

人は睡眠の中で「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を90~120分周期で4~5回、交互

に繰り返しています。

※レム睡眠とは
眠りが浅い状態です。
体は休んでいても、脳が活発に動いている状態。日中に得られた情報の整理や、記憶の定着を行っています。

※ノンレム睡眠とは
眠りが深い状態で、脳、体ともに休んでいます。正常な睡眠では、ノンレム睡眠は次第に浅く、レム睡眠は徐々に長くなって覚醒する準備が整います。

入眠後、最初に現れるノンレム睡眠は、1番深く約90分続きます。ここで、しっかり眠れると、その後の睡眠に良い影響を与えます。

人の体は、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)により、脳と体がリフレッシュされるのです。

■寝つきの良さ
質の良い眠りの要素3つめは、
寝つきの良さがポイントということです。

寝つきが良いとは、寝床に就いてから過度に時間を要さずに入眠できることです。

分から15分程度で入眠できることは、質の良い眠りにつながります。

しかし、寝床に入って「寝落ち状態」で、すぐに入眠しているのに、日中眠く疲れて

いると感じる人は、慢性的な寝不足の可能性があるのです。睡眠と言うより、気絶

状態に近いと言えるでしょう。

4章:睡眠の質のセルフチェックと、質を上げる方法5つ

4-1:睡眠の質のセルフチェック方法

自分の睡眠の質を確認したいと思う方は、スマホのアプリや、セルフチェック表を紹

介しているサイトがあります。

いびきメディカルクリニック:【睡眠の質をセルフチェック】

https://www.ibiki-med.clinic/column_n/sleep-quality/sleep-check/

4-2:睡眠の質を上げる方法5つ

睡眠の質を上げる5つの方法は、以下の5つです。

  • 規則正しい生活をする
  • 適度な運動をする
  • 就寝2~3時間前に入浴する
  • 就寝前の食事・カフェインを控え、スマホを見ない
  • 朝日を浴びる

それぞれ説明します。

■規則正しく生活する
睡眠の質を上げる方法1つめは、
規則正しく生活をするということです。

規則正しく生活をすることで、体内のリズムも整い、睡眠と覚醒がはっきりし、良い

睡眠につながります。

■ 適度な運動をする
睡眠の質を上げる方法2つめは、
適度な運動をするということです。

適度な運動により、昼間の覚醒度合いを高め、夜の寝つきを良くします。また、熟睡

感が向上し、脳も体も休養できて、睡眠の質が上がります。

■就寝の2~3時間前に入浴
睡眠の質を上げる方法3つめは、
就寝の2~3時間前に入浴するということです。

入浴により、体温が一時的に上がります。人は体温が下がるタイミングで眠くなるた

め、入浴により上げた体温を下げるタイミングは、2~3時間後です。自然に入眠を

することが、質の良い睡眠につながります。

■就寝前の食事・カフェインを控え、スマホを見ない
睡眠の質を上げる方法4つめは、
就寝前の食事・カフェインを控え、スマホを見ないということです。

カフェインやアルコールには、覚醒作用があり、夜間のスマホの光は、眠気を起こす

ホルモンが低下します。脳の覚醒状態を防ぐことは、睡眠の質を上げることにつなが

ります。

■朝日を浴びる
睡眠の質を上げる方法5つめは、
朝日を浴びるということです。

朝日を浴びると15~16時間後に眠気を起こすホルモンが分泌されます。朝日を浴び

ることで、昼間に活動して、夜睡眠するリズムが整い、質の良い睡眠が得られます。

まとめ:健康的な睡眠時間と質は、体内時計を整えることが重要

結論として、健康的な睡眠は、量と質の2つがポイントです。

そして、健康的な適正睡眠時間は、年齢・日により異なり遺伝子が関係しています。

睡眠時間は長くても短くても、マイナスです。

睡眠時間が長い場合は、以下の2つの健康被害が起こります。

  • 死亡リスクを高める
  • アルツハイマー型認知症の発症リスク

を高める

睡眠時間が短い場合は、以下の8つの健康被害が起こります。

  • 狭心症・心筋梗塞・高血圧・脳梗塞を発症
  • 肥満・糖尿病を発症
  • 抑うつ(気分が落ち込み、憂うつなこと)状態
  • アルツハイマー型認知症を発症
  • 免疫力の低下を引き起こす
  • 記憶や思考力の低下が起こる
  • 老化を早める
  • 頭痛・耳鳴り・動悸などの不調を引き起こす

健康的な睡眠には、「質の良い眠り」も重要す。

理由は、質の良い眠りを得ることで体内の機能の働きやホルモン分泌を促すからで

す。そして、健康な心身が作られます。

質の良い眠りは、以下の3つの要素で構成されています。

  • すっきりした目覚め
  • 眠りの深さ
  • 寝つきの良さ

規則正しく生活することで、自分に適正な睡眠時間と質を手に入れましょう。