【片目だけ白内障】6つの原因、手術の必要性、後悔しないための知識
あなたは、
- 片目だけの白内障の原因を知りたい
- 片目だけの白内障は、手術をするべきか知りたい
- 片目だけ白内障の手術をしたら、見え方はどうなるのか知りたい
と、お考えではありませんか?
目は左右あるのに、片方だけが、病気と言われたら、原因や治療法を知りたいですよね。
結論から言うと白内障の原因は、片目、両目ともに以下の6つです。
- 加齢
- 外傷
- 全身疾患(糖尿病・ アトピー性皮膚炎)薬の副作用
- 紫外線
- 親から子へ受け継がれる遺伝子や染色体
- 子宮内感染(風疹・トキソプラズマ)
この記事では
1章で片目だけ白内障になる原因
2章で片目だけの白内障は生活に支障が生じれば手術が必要
3章で片目だけの白内障の手術で、後悔しないために知るべき5つ
4章で白内障手術の流れと2種類の手術方法
について詳しく説明します。
この記事の内容を参考にして、片目だけの白内障と言われたときに、適切な選択をしましょう。
1章:片目だけ白内障になる原因
白内障の原因は片目・両目とも以下の6つです。
- 加齢
- 外傷
- 全身疾患(糖尿病・アトピー性皮膚炎)薬の副作用
- 紫外線
- 親から子へ受け継がれる遺伝子や染色体
- 子宮内感染(風疹・トキソプラズマ)
それぞれ説明します。
1-1:加齢
白内障の原因の1つめは、加齢です。
原因の約90%にあたります。
早くて40代から、80歳では、ほぼ100%の人にみられます。
1-2:外傷
白内障の原因の2つめは、外傷です。
目や目の周りの打撲や、けがをすることで発症します。
すぐに発症する場合と、数年後に発症する場合があります。
1-3:全身疾患・症候群(糖尿病・アトピー性皮膚炎)、薬の副作用
白内障の原因の3つめは、全身疾患(糖尿病・アトピー性皮膚炎)薬の副作用です。
病気の症状や、薬が原因で、目の水晶体に変化を起こし発症します。
具体的には以下の3つです。
水晶体とは:目の奥にある透明な組織。カメラでいうレンズの役割と同じで、ピントを調節してくれます。
- 糖尿病で血糖コントロールができない
- アトピー性皮膚炎による目の周囲のかゆみで、ひっかく刺激
- アトピー性皮膚炎で塗るステロイド剤の成分
1-4:紫外線
白内障の原因の4つめは、紫外線です。
長時間の紫外線により、目も日焼けをします。
目の日焼けは、目のさまざまな病気を引き起こします。
サングラスなどで予防できます。
1-5:親から子へ受け継がれる遺伝子や染色体
白内障の原因の5つめは、親から子へ受け継がれる遺伝子や染色体です。
白内障の原因になる遺伝子を受け継いだ場合や染色体に異常があると、生まれつき白内障を発症します。
約1万人に3人に起こる、まれな病気です。
1-6:子宮内感染(風疹・トキソプラズマ)
白内障の原因の6つめは、子宮内感染(風疹・トキソプラズマ)です。
妊娠中に、風疹やトキソプラズマなどのウイルスに感染することが原因です。
特に妊娠3か月以内の感染のことが多いです。
2章:片目だけの白内障は、 生活に支障があれば手術が必要
片目だけの白内障=生活に支障があれば手術が必要です。
しかし、例外や手術が必要ない場合もあります。
それぞれ説明します。
■手術が必要な場合
生活に支障があるときは手術が必要です。
さらに、以下の4つのいずれかに該当する場合は、生活の支障に関係なく、手術が必要です。
- 外傷やアトピー性皮膚炎で白内障が急に進行
- 緑内障で眼圧が上昇
- 手術を先延ばしにすると、白内障以外の目の病気や、糖尿病に影響する。
- 白内障が進行しすぎて、手術自体が困難になる。
■手術が必要ない場合
白内障初期で生活に支障のない場合は、進行を遅らせる目薬を使用します。
3章:片目の白内障手術で、後悔しないために知るべき5つ
片目の白内障手術後に見えにくい、メガネなし生活が叶わなかったと後悔することがあります。
片目の白内障手術で後悔しないために、知るべきことは以下の5つです。
- 仕事や生活に合う眼内レンズを選ぶ
- 白内障手術をした目は、ピント調節ができない
- 片目の白内障手術は、反対目と焦点を揃えることが大切
- 片目の白内障手術は、反対目の手術時期が重要
- 自分の希望に合う病院を選ぶ
それぞれ説明します。
3-1:仕事や生活に合う眼内レンズを選ぶ
眼内レンズとは:白内障手術で水晶体の代わりに入れる人工レンズのことです。半永久的に使用できます。
片目の白内障手術で、後悔しないために知るべき1つめは、
仕事や生活に合う眼内レンズを選ぶことです。
なぜなら、手術後の見え方は眼内レンズで決まり、眼内レンズには種類、特徴、不適応があるからです。
眼内レンズは大きく2種類に分けられ、特徴や不適応な条件もあります。
それぞれ説明します。
3-1-1:眼内レンズの種類と特徴
種類 | 単焦点レンズ | 多焦点レンズ |
---|---|---|
遠方・中間・近方の1点だけに焦点が合う | 2点以上の複数か所に焦点が合う | |
特徴 | 焦点を合わせた場所が鮮明に見える | 単焦点レンズよりコントラストが劣る |
合わせた焦点以外は、メガネが必要 | 手術後にメガネが不要になる可能性が大きい | |
乱視用のレンズがある | 乱視用のレンズがある |
乱視とは、焦点が1か所に定まらず、ぼやけたり、ゆがんで見えたりすることです。
また、眼内レンズは水晶体を包んでいた袋の中に入れ、袋とレンズは癒着します。癒着したレンズを取り出す手術は、目に負担をかけるため避けるべきです。
3-2-2:多焦点レンズの不適応
多焦点レンズは、構造上の理由で見えにくい場合もあります。
表で説明します。
適応しない場合 | 理由 |
---|---|
白内障以外に目の病気がある 繊細な作業を必要とする仕事 | 単焦点レンズより、コントラストが劣る |
夜の車の運転 | 車のライトや街頭の周りに輪が見えたり、まぶしく感じたりする |
高齢者 | 見え方に脳が慣れるまで時間を要す |
眼内レンズの特徴、不適応を知り、仕事や生活に合わせて慎重に選ぶことが重要です。
3-2:白内障手術をした目は、ピント調節機能ができない
片目の白内障手術で、後悔しないために知るべき2つめは、
白内障の手術をした目のピント調節機能は、なくなることです。
理由は、ピント調節をしてくれる水晶体を手術で除去するため、ピント調節ができなくなります。代わりに入れる眼内レンズは、決めた距離だけにピントが合い、自分で調節する機能がないからです。
つまり、白内障手術後は、眼内レンズで合わせた距離にしかピントが合いません。
3-3:片目の白内障手術は、反対目と焦点を揃えることが大切
片目の白内障手術で、後悔しないために知るべき3つめは、
片目だけの白内障手術は、反対目と焦点を揃えることが大切です。
理由は、左右のバランスが悪いと見えにくいからです。目は、両目でバランスよく見ることで、距離感や立体感が生まれます。
つまり、手術後に見えやすい=手術しない目に合わせると言えます。
目の実際の見え方と、手術で合わせる焦点の距離を以下の3つに分けて、それぞれ説明します。
- 現在の見え方
- 眼内レンズ焦点別の、見え方
- 生活動作の焦点と距離
3-3-1:現在の見え方
現在の見え方を3とおりに分けて説明します。
■遠視の見え方
遠くは比較的見えやすい・近くは見えにくい
■近視の見え方
近くは、はっきり見える・遠くは、ぼやける
■老眼の見え方
手元の小さい字が見えにくい
手術をしない目=現在の見え方です。
よって、手術をする目の焦点=現在の目の焦点にすると、左右のバランスが良いです。
3-3-2:眼内レンズ焦点別の、見え方
眼内レンズ焦点別の見え方を、現在の見え方別に表で説明します。
【現在、遠視または老眼の人】
眼内レンズの焦点 | 手術をした目 | 反対側の目 |
---|---|---|
遠方 | 遠方は、見える | 遠方・中間は比較的見える。 |
中間 | 中間は、見える | 遠方・中間は比較的見える。 |
近方 | 近方は、見える | 近方は、見えにくい |
【手術後の見え方】
●焦点を近方に合わせると
左右の焦点が違い、見えにくい。
●焦点を中間から遠方に合わせると
左右の焦点は揃うが、近方用もしくは、遠近両用メガネが必要。
●多焦点レンズを入れる と
左右の焦点が違い、見えにくい。
【現在、近視の人】
眼内レンズの焦点 | 手術をした目 | 反対側の目 |
---|---|---|
遠方 | 遠方は、見える | 遠方・中間は見えにくい |
中間 | 中間は、見える | 遠方・中間は見えにくい |
近方 | 近方は、見える | 近方は、見える |
【手術後の見え方】
●焦点を近方に合わせると
左右の焦点が揃い、見えやすい。
●焦点を遠方に合わせる・多焦点レンズを入れる と
左右の焦点が違い、見えにくい。
左右の焦点が違うと、両目のバランスが悪く見えにくいと言えます。
3-3-3:生活動作の焦点と距離
生活動作の焦点と距離を表で説明します。
【例】運転、スポーツをするときの目は5m以上に焦点があり眼内レンズの焦点は、「遠方合わせ」です。
眼内レンズの焦点 | 遠方 | 中間 | 近方 |
---|---|---|---|
目の焦点距離 | 5m以上 | 1m | 50cm |
生活動作 | 運転 スポーツ | 化粧 食事 | 手紙や日記を書く |
目の焦点距離 | 2m | 60cm | 30~40cm |
生活動作 | テレビを見る | パソコン 料理 | スマホ 読書 |
【例】運転することが多い近視の人は、片目手術で遠方に焦点を合わせると、手術しない目の焦点は近方にあるため見えにくいと言えます。
3-4:片目の白内障手術は、反対目の手術時期も重要
片目の白内障手術で、後悔しないために知るべき4つめは、
片目の白内障手術は、反対の目の手術時期も重要ということです。
理由は、白内障手術は、両目を手術することで左右のバランスがとりやすく、見え方の選択肢が増えるからです。
反対目も白内障になる可能性があります。今は、片目だけ手術で単焦点レンズを選ぶのか、両目手術をして多焦点レンズを選ぶかによって手術後の見え方が違います。
つまり、片目の白内障手術の場合は、反対目の手術時期を考えることが重要です。
3-5:自分に合う病院を選ぶ
片目の白内障手術で、後悔しないために知るべき5つめは、
自分に合う病院を選ぶことです。
理由は、眼内レンズや手術機器によって手術後の見え方に差が生まれるからです。
取り扱う眼内レンズや手術機器は病院によって違います。自分の望む見え方が叶う病院を選ぶことが大切です。
最新の眼内レンズや手術機器の特徴は以下の2つです。
●5焦点の多焦点レンズがあり、種類によって特徴や見え方を細かく選べる
●手術中の目をリアルタイムに測定し、高い精度で焦点を合わせる
4章:白内障手術前後の流れと2種類の手術方法
白内障手術と前後の流れを、以下の2つに分けて説明します。
- 手術前検査と手術方法
- 手術後の生活と経過
4-1:手術前検査と手術方法
■術前検査
安全な手術を行うために3つの検査をします。
【目の状態】白内障の程度を把握し、白内障以外の病気や手術後に十分な視力が出ない条件の有無を調べる
【目の形状や長さを計測】眼内レンズの度数を決定するための検査
【血液検査】手術に影響を受ける、または、与える病気の有無を調べる
■手術方法
【マニュアル手術】すべての手技を医師の手で行う
【レーザー手術】一部をコンピューター制御レーザーが行う
※レーザー手術は施設によっては行っていません。
4-2:手術後の生活と経過
細かい日程は病院により異なります。以下は目安です。
■診察
手術後2日程度は、感染の有無を確認します。その後は、徐々に間隔が空きます。
■入浴
翌日より首から下のシャワー浴、洗顔は4~5日後からです。感染予防のため、目は濡らさないことが大切です。
■アイメイク・毛染め
1か月後から、できます。
目以外のメイクは洗顔が可能になれば、できます。
■メガネ作成
1~2か月後に、視力が安定してから、作成します。
まとめ:片目だけの白内障、手術と後悔しないポイントを知ろう
「片目だけの白内障手術後、見えにくい」「メガネなしの生活をしたかったけど…」
と思ってしまうことがあります。
まずは、原因と治療を知って、後悔しないポイントを知りましょう。
■片目の白内障の原因6つ
- 加齢
- 外傷
- 紫外線
- 全身疾患(糖尿病・アトピー性皮膚炎)薬の副作用
- 親から子へ受け継がれる遺伝子や染色体
- 子宮内感染(風疹、トキソプラズマ)
■白内障は生活に支障があれば手術が必要
さらに、以下の4つのいずれかに該当する場合は、生活の支障に関係なく手術が必要です。
- 外傷やアトピー性皮膚炎で白内障が急に進行
- 緑内障で眼圧が上昇
- 手術を先延ばしにすると、白内障以外の目の病気や、糖尿病に影響する。
- 白内障が進行しすぎて、手術自体が困難になる。
■片目の白内障手術で、後悔しないために知るべき5つ
- 仕事や生活に合う眼内レンズを選ぶ
- 白内障手術をした目は、ピント調節ができない
- 片目の白内障手術は、反対目と焦点を揃えることが大切
- 片目の白内障手術は、反対目の手術時期が重要
- 自分の希望に合う病院を選ぶ
片目の白内障手術で後悔しないポイントを知って、満足できる見え方を体験しましょう。